埼玉県越生町「黒澤農園」さんの梅干しをネットで購入した。
越生の梅も元々生梅で入手したかった梅のひとつ。残念ながら今季は間に合わなかった。神奈川の曽我梅林然り越生然り、今年の関東地方は概ね例年より二週間ほど早く生梅の収穫が終了したようだ。越生の梅も存在を知り、欲しいと思った時には既に販売終了していた。
越生の梅が気になる理由は、「べに梅」という野生の固有品種が存在するから。「べに梅」とは、越生町のサイトによると
「越生べに梅」とは・・・
・越生町に受け継がれ栽培されてきた固有の梅
・果実は、香り高く薄皮で果肉が厚い
・完熟するとフルーティーな香りで、表面に紅色がさすことから「べに梅」と呼ばれる
そうで、味の特徴としては野生ならではの酸味が挙げられるらしい。私は酸っぱい梅が好き。これは是非味わってみたい!という訳で、生梅が駄目なら梅干しを買いたいと思ったところ、ネットで買える商品は殆ど見当たらなかった。そもそも生産量が少なく地元で完売してしまうことも多いそうで、今回は産直サイトで農家さんから直接購入した。最近入荷したばかりなのは、このタイミングでヴィンテージが切り替わったのかも知れない。品種は商品ページに以下のように書かれていた。
<品種など>
・白梅
園内には100年を超える白梅の古木があり、サイズは中粒で食べて美味しいことから樹を増やされてきた黒澤農園の代表的な梅です。
一般に白い花をつける梅はみな白梅。「白梅」という固有品種もネット上では見つからなかったので「べに梅」ではないかも知れないが、歴史ある梅農家さんで育てている梅は美味しい。しかも「食べて美味しいことから樹を増やされて来た」なら間違いないだろう。
さっそく開封していただいてみる。ふっくらとして美味しそう。
食べてみると、皮は薄いが比較的しっかりしていて果肉の厚さや重みを支える強さがある。これは私の好みのタイプ。酸味も程よく、食べやすい優しい味。「べに梅」という名前はつい福井県の「紅映(べにさし)」を連想してしまうが(大きさや食べた時の皮の感じ、実の厚さや酸味など共通項は多い)、梅はもともと自然交配されやすい。長い年月をかけて様々な品種が強く美味しく掛け合わされて来た結果が今の黒澤農園さんの「白梅」なのかも知れない。
それにしてもこの梅干しも美味しい。塩分12%で漬けられているのでしょっぱ過ぎず、塩味もまろやかでそのまま食べてとっても美味しいのだ。ちょっと汗をかいた時の塩分補給に最適。これもまた現地へ買いに行きたいなあ。そして来年はぜひ「べに梅」はじめ越生の生梅を買って漬けてみたい。
ちなみにこの梅干しが届いた際、緩衝材と新聞紙でくるまれ箱に入っていた。埼玉県の農家なので埼玉新聞かと思って開くと、なんと日本農業新聞!初めて手に取るのでつい夢中になって熟読してしまった。有料紙の画像掲載は控えるが、見出しだけで十分な迫力。農家以外の読者にもわかりやすく書かれていた。普段目にしない専門紙は面白い。農業は特に天候や物価等日常の生活に直結するので、若かった頃より今の方が理解が深いかも知れない。そうか、農家さん方はこうした課題と日々向き合っているのね。勉強になりました。
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