我が家のお気に入り品種、城州白の産地である京都府城陽市へ行って来た。関西へ行く予定があり、その空き時間に組み込んだのだ。京都駅から奈良線で約1時間、山城青谷駅で下車し徒歩で巡る。事前の計画では三つのお店を巡るつもり。その本命が「青谷梅工房」さん。
伺った際も天日干し作業真っ最中のようで、大きなトレイに並べられた立派な梅たちが次々車に積み込まれていた。こちらは毎週土曜日に新鮮野菜の朝市、第3土曜日に「梅工房の日」が開かれ、梅ジュースや梅パウダーをかけたポテからなどの梅グルメ、十割蕎麦等が振る舞われ賑わっているようだが、平日は静かだ。この時も客は私だけで、打ち合わせをされていた店長さんが手を止め、商品説明をしてくださった。
「梅干しですか?」と問われ「はい」と答えると「うち、甘いのないんですわ」と真っ先に言われる。つまりそれだけ甘い梅干しを求める客が多いということだろう。私が甘い梅干し目当てではなく城州白が大好きだと言うと、「ほんならこっちから左が城州白、こっちは白加賀という品種です」と笑顔で教えてくださり、それぞれの漬け方も説明いただいた。その上で今回買ったのが、城州白のしそ梅と、減塩のため微量の砂糖入りの(甘さは感じないとのこと)白漬梅。どちらも150g入り580円。白干しは今年自分で漬けたのでしそ漬けを選び、白漬けは調合が気になり購入した。白加賀も気になったが、まずは城州白を優先。
帰宅後にさっそく味見してみた。まずはスタンダードなしそ梅。開封すると漂う城州白の香り。ああいい匂い。やっぱり好きだなあ城州白。
塩分18%ということだが、しょっぱさが先に立つ味ではない。塩味は既にまろやかに馴染み切り、それよりも城州白らしい果肉感が感じられ、とても美味しい。どんな塩使ってるんだろう…
一方、白漬けは開封した途端に夫が「甘い材料の匂いがする」と言った。確かに、城州白の香りというより調味液の(調味料が合わさったような)匂いがする。ただ、甘みを入れて漬けた梅の特徴として、塩のみで漬けた時よりも縮まず、ぽってりと可愛らしい見た目になる。
食べてみると、やはりしょっぱくて酸っぱい梅を食べ慣れた私たちの舌には甘かった。甘すぎるという程ではないが、十分甘い。ごはんやお茶漬けというより「お茶請け」に向く味だと思う。或いは洋風の料理にアクセントとして加えるか。故に結論としてはやはり「梅干しに砂糖は入れない方がいいよね」になるのだが、元々ほんのり甘く、桃に近いような芳香を持つ城州白に甘みを入れた漬け方が向かない(あくまで個人的な好みで、これが最も好きだという方も多いだろう)のは少々意外だった。もしかしたら気に入るかもとも思っていたので。
今年私が城州白を漬けた時には3種類の漬け方を試した。いずれもしそは使わず、塩の種類と塩分濃度が異なる2種と、はちみつと梅酢を少量ずつ使って8%の減塩で漬けた分で、はちみつ入りもなかなか美味しく漬かった(先日義母に差し入れたところ好評だった)。この辺りは好みの味に寄せるのが正解。私の場合、城州白には砂糖よりもはちみつを合わせるのが美味しく感じたということだろう。或いは、漬け方の手順まで伺わなかったのだが、干した後調味液に漬け込む作り方のためにより調味液っぽい味に感じたのかも知れない。
いずれにせよ梅自体がとても立派で美味しく、こだわって生産されていることが感じられて嬉しかった。機会があれば次回は是非梅まつりの時期に合わせて再訪してみたい。
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