城州白の里、青谷(京都府城陽市)へ行く~③「梅匠庵若松」さんで梅どら、梅最中を買う

旅先や出先で見つけたローカル和菓子店に入るのが好きだ。元々あんこ好きというのもあるけれど、和菓子店にも歴史や地域性がある。その辺りが感じられるととても嬉しい。JR山城青谷駅から青谷梅工房へ向かう途中、見るからに良い感じの和菓子店を発見、帰りに立ち寄ると決めた。「梅匠庵 若松(公式サイトではないが、素敵な紹介記事なのでリンクさせていただいた)」さん、名前も良い。店頭ののぼりやたくさんのポップからも素朴で温かな雰囲気が漂って来る。

いかにも老舗かつ庶民的な店構え。こういう店にまず外れはない。通った際「梅どら」「梅もなか」のポップを見付け、この2つは買おうと決めていたが、入ってみるとお菓子の種類は思いの外多かった。中にはマドレーヌ等洋風の商品もあり、本気で見入ると目移りして多々買い込んでしまいそうなので、自力で持てる重量および体積を考えやはりこの2つに。どちらも1個180円、普段使いに最適な価格帯である。

どちらも青谷産城州白が使われているそうだ。食べてみるのが楽しみ!これ以外にも大福や羊羹など、季節に応じて様々な梅菓子が作られているという。つくづく私の持てる量がもっと多ければ…。

そんな訳で帰宅後さっそくいただいた。シロップ煮の梅が丸ごと入った梅どらや梅ゼリーは他でも食べたことがあるが、こちらの梅どらは城州白のジャムをあんに練り込んだ梅あん入り。濃いめの焼き色の間から、ほんのりと城州白の優しい香りが感じられる。

食べてみると、香ばしい皮もあんも甘さは比較的控えめで、城州白のデリケートな風味が活かされた味わい。ふっくらざっくり焼けた皮は普段のおやつにぴったりで、こういうお店が近所にあったら嬉しいよねと思う。

最中は持ち運ぶ間に少々皮が割れてしまったが、薄いピンクの可愛らしい梅花型。たっぷりの梅あんにくるまれた求肥が挟まれている。

こちらはより梅あんの爽やかな酸味が感じられ、梅菓子らしい一品。梅の酸味が好きな方にはこちらがおすすめだ。豊かな風味と酸味で、山形の「のし梅」を思い出した。

今年は城州白と谷沢梅でそれぞれジャムを作り、どちらも美味しかった。城州白は持ち味の香りが活きた上品な味わい、谷沢梅はやはり持ち味の酸味が活きていかにも梅らしいジャムに仕上がった。梅はお菓子にしても美味しい。ローカル梅のある地域でまたこういうお菓子に出会えたら嬉しいなと思う。

梅か杏か、はたまた桃か

2023年5月より開始した梅仕事とその周辺に関する記録。 ゆくゆくは実梅品種の特徴や、ローカル梅についてまとめたい。